中指斬残、捌断ち儀



『子供一人背負えなくして、何が大人か。いいから乗れ。しゃがむ体勢を維持するのは、きついから』


思い出にまで甘えろと言われてしまう。


五十鈴さんと同じように優しい人。細い背中だと思ったけど、頼りがいがあるように見えてしまう。

はい、と背中に乗れば、意外性10%どころか80%になるほど、さざめきさんは軽々と僕の体を背負った。


「僕の背中の揺りかごで寝てもいいよ。というか寝なさい」


「……」


この人の性格がよく分からなくなってきた。


かっこいいのか変人なのか、ともあれ、寝なさいと言われたのであれば目を瞑る。


夜以上に暗い瞼裏、そこに伯母さんの声が聞こえたが、被さるようにさざめきさんの鼻歌も聞こえてきた。