中指斬残、捌断ち儀



おうむ返しで問うてきたさざめきさんが、顔だけをこちらに向ける。


知っているのかと言いたげだったので、頷いてみせた。


「多分、伯母さんで……入院、精神病棟にいたんですけど、退院して、それで……いないのに……」


解説の言葉がまとまらない。唇が震えていた。まだあまり寒くはないのに、手先から凍っていくような気さえもする。


「……、ここにいなさい」


僕の拙い説明でも察したらしいさざめきさんが階段を上がった。


伯母さんに近づくみたいだけど、危険行為でしかない。


“何をするか分からない”、人間として破綻してしまった、言わば獣に近づく真似でもあるのにさざめきさんは臆することなく階段を上る。