中指斬残、捌断ち儀



「か……りぃ……い……い」


「……!」


さざめきさんも気づいたらしく、僕の前に――庇うような体勢で一段上にあがった。


「……、人?」


いぶかるさざめきさんが眼鏡を外す。色つきではあの黒いのをきちんと把握できなかったみたいだ。


何か分からぬ正体不明だからこそ、僕の前に咄嗟に出てきたのか。


人とわかっていても異質な存在にさざめきさんは身構えているようだった。


「おば、さ……っ」


さざめきさんの体越しから見た黒い人――顔なんか僅かしか見えなく、声とて判別しづらいものだけど、“この感じはそうだ”。



伯母さん――


「おばさ、ん……」


「伯母さん?」