伯母さん。
伯母さんの時なら、謝って僕が悪いんだと傷つけば、全てが上手くいったのに。
さざめきさん、五十鈴さんだって僕に謝罪を求めていない。
なら、いったい。
「……め……め」
僕は何をすればいいんだと思ったさい、か細い声が聞こえてきた。
階段の足元とさざめきさんの横顔しか見ていないため、死角となっていた斜め上に視線を向ければ――
「……!」
黒い、人。
黒くなった繭のように汚ならしく体を丸めた人がいた。
何かの怪異?
怖いものが階段に座っている?
「っ、ぁ……!」
いや、“分かるだろう”?
いるだけで、“今すぐ頭を下げたくなる人”はあの人しかいない。


