もう……とぼやいてもいいが、さざめきさんの言ったことが的を射ていたからこそ言葉を出せない。
どうしたものかと思ったが、さざめきさんが足を進めたので僕も慌ててついていく。
道案内するほどでもない一本道だから、彼が先に行ってもなんら問題はない。通り過ぎる前に止めれば良かった。
「あ、こっちです」
左手側の石階段を指差し、一緒に上る。弾かれないかとか変なことを思ったが、石段を踏みしめる彼は至って普通だった。
「そういえば、渉くんは部活でもやっているのか」
「え?いえ、帰宅部ですけど」
「ずいぶんと遅いな。門限どうのを言うつもりはないが、夜は危ないという認識を怠らない方がいい」


