中指斬残、捌断ち儀



「けれども悲観はしない。僕は僕のできることをしているから。無力なりに、何もできないなりに。したいことはしているから、悲観はしない。

認められなくても、生きるから。価値がなくても生きてしまうから。“いなくてもいてもいい存在”だけど、こんな僕でもいなくなれば泣いてくれる人がいるものでね」


いてもいなくてもいい存在と語る彼に僕を重ねてしまったが、彼は違う。


「いなくなって、傷ついた時も、悩む時でさえも、そばにいてくれる人がいるから僕は悲観――苦痛には思わないんだ」


違う、違う?
おんなじなのに、彼は苦痛じゃない。


僕は、“苦痛を背負い込む”のに。


「君とて同じはずだ。少なくとも五十鈴さんがいるし、僕も君に“余計な荷物を背負ってほしくはない”」