中指斬残、捌断ち儀



帽子を取られて、その行方を追う前に頭を撫でられた。


「すみませんで済まないと分かっているからって、そうも、“罰してくださいと言わんばかり謝らなくていい”。

君は悪くない、絶対にだ」


引かれた手のあとに帽子を被せられた。


昨日と違い直に伝わった手の温もりと今の言葉がやけに体に染み込んでいく気分になる。


帽子のツバの位置を直し、さざめきさんの顔を見れば口は真一文字だったけど、色つきの眼鏡の向こうの目が悲しそうに思えた。


「僕は、何もできない。長生きしかできない無力だ」


独白のように、淡々と。


「だからこそ、本当になりたいものにもなれないし、認められない。あんな奴でもなれるものに、僕はなれない」


あんなやつ、で藤馬さんの顔が出てきた。