そりゃあ瞼をきつく閉じれば見えないだろうに。言いたいことはあったが、とりあえず、地面を手探りしているさざめきさんに眼鏡を渡す。
すちゃっと眼鏡をかけた後にさざめきさんが額の汗を拭うような動作をする。汗をかいてないのに。
「危なかった100%。――内訳、アイデンティティー喪失70%。イメージ崩壊20%。プリティー激減10%」
アイデンティティーの意味を分かっているのだろうか……。
まあいいかと、さざめきさんに外傷がないのが何よりだと思っておく。
ここに倒れているということはまた僕の家に入ろうとして弾かれたんだろう。そういえば、この人を招いてないか。
反則藤馬さんはともかく、五十鈴さんのように「いつでも来てください」と言っておけば、本当にいつでも来ることができるようになるから、このさい、さざめきさんにも言っておくか。


