中指斬残、捌断ち儀



もっともお巡りさんには会わずに、僕は何事もなく山間の帰路についたわけだけど――


「…………」


なんか、すごいものを見つけてしまった。


デジャブどころか、昨日今日でまったく同じ場所同じポーズで生き倒れている人に遭遇するとは別の意味でぎょっとする。


「あの、さざめきさん……」


外灯の下、スポットライトにしては明かりが足りないが、赤い白衣という目立つ衣服は彼しかいない。


とんとんと昨日と同じ要領で起こせば、「むぅ……」と意識を取り戻した。


手をついて起き上がる人。落ちていた眼鏡は壊れていなかったので、“上手く不時着したんだろう”。


見れば近くにさざめきさんの物と思われるアタッシュケースも落ちていた。