「っ……、そうだよ、ああ、そうだ!君のせいで、渉の妹が死んだんだぞ!」
「あなたが頼りなかったからでしょう!?渉のことを今まで改善できずに、『僕たちが育てます』だけで、きちんとお父さんたちを説得できない、あなたが頼りないのよ!頼りないあなたに渉を守れるわけがないから、私がお父さんたちに言うしかなかったんじゃない!」
「君が言ったところで何か改善されたかっ。変わらないじゃないか、無駄骨して、子供死なせただなんて、母親失格だ!」
「そんなあなたは父親失格じゃない!何もできない、頼りがいない、へこへこした婿養子の分際で、いっちょまえな顔しないでよ!」
何かがが叩きつけられた音と共に、祖母の悲鳴。
これには慌てて行ってみれば、床に倒れ込む母親とそれに寄り添う祖母。
「人の娘に!」と父親に掴みかかる祖父がいて――もうそこで全てが終わったと僕は思った。


