(四)
伯母さんが退院する日。
親族として僕も付き添った方がいいのかと持田さんに電話で聞いてみれば、『まだちょっと危ないかなぁ』と断られた。
危ない状態で退院だなんてと思ったが、精神病棟というのは数が少ない上に患者は多い。精神病という“いつ治るか分からない”故に、ベッドの空きがなかなかない病棟は次の患者を受け入れるため、“ある程度の基準で退院させなければならないらしい”。
一年近くも入院していた伯母さんでさえも、持田さんがかなり長引かせてくれたそうだ。
もうこれ以上は、と次に体幸会の宿舎へ移動――持田さんの目が届く範囲で預かるように判断した。


