「いや、あれ?さざめきさんが入って弾かれたとしても、僕、さざめきさんを招いていませんよ」
招かなければ来ることができない土地ならば、入ること自体ができないはずだ。
招いたのは藤馬さんだけど……もしかしたら、家でぐうたれている藤馬さんも“家主”にされてしまうのか。
聞けば、バーカと言われた。
「話聞いてんのー?言ったじゃん、“普通に来る分には”って。あいつが歩って来るわけがねえじゃん」
足があったんだから歩くことはできるし、初対面だけでさざめきさんの全ても分かるわけないが――“藤馬さんの知り合いで、藤馬さんがそう言うなら、つまりは普通じゃないんだろう”。
「反則技ですか……」
「術だ、術。もしくは魔法とでも言え」
魔法。
藤馬さんが言うと似合わない単語だなぁと思いつつ、さざめきさんが僕の前から一瞬で姿を消したのを思い出す。


