「あの、もしかして僕の家――春夏秋冬家に行くつもりだったんですか?」
招かれなければ来られない場所でも、電話帳に住所は記載されている家だ。“たどり着けるかはともかく、向かうならば可能であろう家”にこの人は用があって。
「それと何ですが……、藤馬さんのお知り合いですか」
小悪党というキーワードで、春夏秋冬家と繋がった。今頃家でせんべいかじっている藤馬さんを想像する。
藤馬さんに呼ばれたりなんかしたはいいが、たどり着けずに倒れていたのか。
藤馬という言葉にビンゾコレンズの向こうにある目がぴくりと動いた気がした。
「違う100%。――内訳、知り合いでいたくない60%。あいつ嫌い40%」


