赤い上着だから血も目立たないと袖で拭かせる気にはならず、二枚組百円のハンカチ一枚がなくなろうが困るほど切迫はしていない。
男性は少し間を置いたが、二度も差し出された厚意を汲み取ってハンカチを手にした。
「感動100%。――内訳、今時の若いもんとは違う50%。出来た気遣いに40%。優しさに乾杯10%」
「いえ……」
適当に数字つけているんじゃないかと疑惑を持ち始めた。
ハンカチを鼻に添えたまま、男性は僕を改めて見たようだった。
ふむ、と何かに頷き、びしっと親指を立てられる。
「グッジョブ100%。――内訳、似合う服装50%。こだわっている30%。マニアウケ20%」
ならばこの人はマニアなのか。


