「……、あ、ぇ?」
藤馬さんほどではないが身長がある成人男性を一瞬、人ではない何かと思った……そう思えるほどに道路で倒れている人はひどく浮いていた。
初見だからこそ戸惑ったが、よくよく考えれば道路に倒れているで、轢き逃げされたのかと現実的なことを思う。
「あ、あの……っ」
いくらか離れていた距離を縮めてみれば、どう見ても轢き逃げされた人には見えない“ポーズ”であるのが窺えた。
まず衣服が汚れていない。赤いトレンチコート、か……?やけに派手な色は綺麗なもんで土汚れがまったくない。轢かれたならばタイヤ痕があるだろうし、何よりも血が出ていない。
うつ伏せのため顔は見えない。もしもただ前に倒れただけだとすれば、最悪鼻の骨を折っているのかもしれないけど……それはそれで一大事な怪我なのに、なんかそれはないと思えるほど心配が薄らいでしまう。


