絵文字も顔文字もない素っ気ないメールだが、僕が建前だけでこんな気遣いメールを送るわけがないと彼女も分かっているだろう。
送信完了のディスプレイを見たあとに、折り畳み式の携帯電話を閉じる。
五十鈴さんがしばらく来ないならば、今日はちょっと遠出しようかなと考えた。
ずるい考え方だけど、五十鈴さんが心配をしない影で少しばかり好きにやりたい部分もあった。
怪異探し。
都市伝説探求。
それらは“僕をも殺せるほどか”と――
「…………」
考えようとした最中、すごいものを見つけてしまった。
日常に溶け込む異質を見ても別段驚かない僕が、ぎょっと目を見開くようなすごいもの。
白線の区切りがない道路の端。人が倒れていた。


