これでは携帯電話の意味はないじゃないかと思えど、何も緊急連絡の時だけに使うこともなかった。
通話だけでなく、メールができる。
僕の初めてのメル友は五十鈴さんでした。
一日に二通程度、『おはよう』に『おはようございます』を返して終わるメールでも、五十鈴さんと『会話』ができることは少なからず癒される。
文のみのコミュニケーションじゃ味気ないが、その分手軽、通話と違って躊躇なく送ることができていた。
もっとも、ほとんど僕は返信側だけど。
携帯電話もなかなかにいいなと思う今日この頃。
学校から帰ってくる最中に、『三日ほどそちらに行けない』というメールが五十鈴さんから送信されてきた。
秋の入り口でまだどことなく熱く、山の枝葉が落ちてきたそんな日。
山間の帰路で読んだその文面に、『心配しないでください。五十鈴さんはあまり無理をなさらずに』と歩きながら返した。


