五十鈴さんには言えない。藤馬さんは、多分、言わなくても分かっている。
死にたがっているかと聞かれることもないけど、嘘をつけない僕はそれを“うやむやにして返事する”。
できれば死にたい、そうは思っても五十鈴さんが泣いてしまうのを想像すればためらわれたし、何よりも僕は“二十歳になったら勝手に死ぬ”じゃないか。
藤馬さんがもしかしたら助けてくれるだなんて前に言ったけど、助けられた後でも僕は死ねる。
生きて苦しみ、死を持って制裁を。恐らくは被害者にとって一番報われるであろう加害者の不幸。
伯母さんはそれを知るよしもないだろうが、何も僕は伯母さんのだけに罪意識を向けているわけではない。
僕に関わってしまった全ての人へ。
そうして、これから関わるまだ見ぬ人へ。
僕が発端となり、原因であり、僕のためにと何かを失う人たちへの贖罪。
真に楽しまない毎日を、死地へと歩むような命の駆け引きを、自身さえも嫌う己でいよう。


