(二)
パソコンの存在は、僕にとって大きいものだった。
五十鈴さんにしてみれば、『お前が自分のために何かをした』という私物(欲しいもの)を買ったことに対して、いい傾向だの意味を含んでいたみたいだが、僕にとっては“使うこと自体に大きな意味があった”。
当初の目的通り、都市伝説(もしくは民間伝承)を調べるツールとして使っていたわけだが、思いの外、役に立ったのだ。
本で見るのと違いピンポイントで、時には幅広く、都市伝説というジャンルだけで実に一万件以上のヒットをするネット界は図書館のように“もう調べられない”ということにはならなかった。
何よりも興味があったのは、“怪異の目撃情報”。
本では怪異の出没地の詳細は地方ないし都道府県程度の大まかな区分でされていたが、ネット内はかなり範囲を絞ってくれる。


