「藤馬さんはどうせ、お金を渡さないと思いますし、五十鈴さんのために何か使ってください」
意味ないこと続きでも、せめて違った形で役に立てばいいと思った。
藤馬さんの笑い声が止まる。
「それをあいつが望まねえって言ってもか?」
「……」
「あーあーあー、くそめんどくせえっ。まるっきり分かってねえな、てめえは。ええ?今まで何見てきた?この場で奥さまの名前出すだなんてなに考えてんの?」
「……、怒られますね、僕」
子供があまりお金を使うな、お金の大切さを知れ、との教えは出会った当初から聞いていた。
五十鈴さんもきっと伯母さんの天然石を換金した分は、僕が持つ方がいいと言い始めるだろう。


