中指斬残、捌断ち儀



「……」


「お得意の『僕のせい』でちゃ、幸せを感じたくねえよな。被害者ババアのためにも傷つきてえよなぁ。教えを守って、引きずって、不安になって、全部全部ぜーんぶ、“ババアとの思い出を繰り返して、わきまえてんだな。自由なのにー”。

それとも教えを破ったあと、“何もないことにホッとしたくねえ”か?ババアの部屋に入って咎められないことに、もっと言えば水をぶっかけらんねえことに、突き詰めれば、ババアが帰ってこないことに!

もっと不幸にならなきゃって思うのかよ、ええっ、わたるんよぅ!」


哄笑が弾けて飛ぶ。

馬鹿馬鹿しすぎて腹いてえと、藤馬さんは腹から笑う。


「シシッ、ハッ、“何か変わんのかよ”、それっ。てめえが不幸になったらあのババアも幸福ってか?だろうなぁ、だろうよぅ、自分をこんなにした生意気なクソガキが泣いてりゃあっちは笑うだろうよぅ!

けど、そのババアはどこだ?あっち?あそこ?向こう?ここーっ?いねえいねえっ、どこにも見当たらねえ!憎きクソガキがせっかく“不幸になってあげている”のに、肝心のババアがいなきゃ意味ねえなあぁ!」