中指斬残、捌断ち儀



帰ってこない。
それは檻つきの病院にいるからではなく、“昔みたいな伯母さんはもう帰ってこない”という意味に聞こえた。


昔のようにヒステリックなほどに言い聞かせをしていた伯母さん、天然石が一つでもなくなったら気づくことさえも見ることはない。


あの頭で正常な判断ができない以上、天然石がなくなったことを気づかないだろうし、罪滅ぼしでお金を払ってもお金という概念をなくしている。


藤馬さんの言うとおり、意味などなかった。


意味なんかないのに、僕は昔のままでいて――


「どうせ傷つくんだからよ、どーしてババアの影を追っているんだか」


ま、俺的にはおもしれえけどー、と軽口を忘れない藤馬さん。


「ああ、そっかー。わたるんは『伯母さんがいなくなって幸せ』とか思いたくねえんだな。『伯母さんをああしたのは、僕のせいなのに』ってか?」