「でも、それは伯母さんの天然石を……」
「その天然石でさえ意味ねえの。もういない奴の持ち物を家に置いているだなんて、別れた男のもん捨てられねえ以上に未練たらたら……ああ、いや」
ふと、藤馬さんが何かを思いついたように笑う。
「“ババアが帰ってきたらどうしようって不安なんだな”?」
「……」
「シシッ、わたるんはまーだババアを引きずってんのか。一年経ったわけじゃねえけど、もうそろそろ“自由になってもいいんじゃね”?それこそ、ババアの自室入れるぐらいに、ババアの教えを破ってみろよ?どーせあいつは“帰ってこないから”」
伯母さんの教えを引きずっているつもりなんかなかったけど、改まって言われるとやはりそうなのかと思ってしまう。


