五十鈴さんや持田さんが麓の階段を通りすぎて、あの能面がついてきたのを思い出した。
意識をしているのとしていない。目で捉えるではなく頭で認識するか否かの違いだが。
「それと風車が何の関係があるんですか」
結局そこはどうなんだと突っ込めば、めんどくさそうに答えられた。
「あー、ここに溜まっている悪い気を周りに流して、いい流れを分散してんの。空気清浄機?あ、いや、流れを均等にしてるだけだからいい気を作ってはいるわけじゃねえんだよなぁ。
俯瞰すりゃあ分かるけど、建物あるここは平地なんだよ。山の形なんて綺麗な円錐のわけもねえから片方が急勾配でもう片っ方がなだらかなのはあるが、明らかにここは窪んでんだよ。
山の中腹にある虫食いみてえな窪みのせいで、山の形に沿ってなだらかに進む空気が窪みに溜まる。いいもんも悪いもんもな」


