中指斬残、捌断ち儀



「なんか、小物な感じが漂う神様ですね……」


「無償で優しくしてくれる神様だなんて、妄想だってーの。古事記読め、神様の方が人間よりも馬鹿げたことしてっから」


古事記ではなく、ギリシア神話でゼウスは浮気癖がひどく妻のヘラ嫉妬深い。というのを何かの本で読んだのを思い出した。


あくまでも人間の創作だけど、無償で奇跡を振り撒く神様がいたら世の中はこんなにも暗い話ばかりで持ちきりにはならないだろう。神様も人間臭い部分があるのかもしれない。何かをやるからには何かしろと言うような。


「えっと、神様がいなくなったから、この土地が弱くなったって解釈でいいですか?」


「清掃係いなきゃ汚れんだろ?汚ねえ場所には汚ねえもんが集まるんだよ。もっとも、郊外にある山自体が汚れるだなんて滅多にねえから神脈の効果は続いている。人間に関しちゃ向こう五十年は招かれなきゃ来れねえが、人間以外の奴は神脈だろうが関係ねえ。山の中には、汚ねえ馴染む空気があるからな。近くまで来れば引き寄せられるように意識する――見つけちまうんだよ。通り過ぎずに入ってきちまう」