中指斬残、捌断ち儀



「家主に招かなければ、って言うのは」


「土地に――いや、神に認められた神職者が許したなら、入れてやってもいいよーな神様の心遣い」


「え、神様なんているんですか、ここに」


「神社が廃れなきゃな。百々の神様だなんて嘘っぱちみてえなもんだが、ここは――“ここだけにいた神は本物らしい”。

もっとも、人間に優しい神様なんて数えるぐらいしかいないがな」


神を勝手に“人に優しくするのは人だから”、と藤馬さんは嫌な笑みを作る。


「奉られた神がしたことなんて、土地の神聖化だけ。家の掃除とかわんねえよ、掃除の疲れに自分をもてはやす人間いりゃあ、入り浸るわけだが――百々は途絶えた。

廃れて終わり、この神社だってそうだ。山の神聖(清潔)を保っても、もう誰も奉らないし有り難がってもくれないなら、“遣り甲斐ないわな”。今頃、別の神社に引っ越しちまったんじゃねえの?」