「金がそれなりに要り用だったんだよ。ま、俺ぐれえになりゃ金ねえならかっさらう。金なんか要らねえちゃ要らねえんだが、わたるんがびびっかなぁと思って」
「……」
あぐらをかく藤馬さんに返す言葉が見つからなかった。
というか、ぐうたら無職が思いの外精神にきたから横になっていた姿勢を正しているのでしょうか……
聞けるわけもなく、藤馬さんは片膝を立てた。
「それにだ、この土地に関してのことだったからな。なら、土地の中にある家から拝借するのが筋ってもんだろぅ?」
筋って、どんな意味だったかな……。
藤馬さんの言葉はところどころにつっかかりを覚えるものだった。


