「わたるんの養育費から買ってたんなら、売って正解じゃん。ババアはどうせお守りなんか要らねえ身だしぃ、換金換金。元に戻してまた何かに使ってやった方がいいじゃーん」
「話、聞いてましたか……」
都合のいいことしか耳に入らない上に、金を自分の懐にしまうだなんて……ああ、やっぱり藤馬さんだから諦めるしかないのか。
「藤馬さん、無職ですものね……」
「そこで落ち着くのかよ!?ばっ、無職じゃねえよ!職就けなくとも俺は食えるし、仕事する前にやることがあんの、俺は!俺が無職なら、奥さまだって無職だぜ?」
「五十鈴さんは横になってぐうたれていませんよ?」
「ぐうたれてんだよ、てめえが見てねえところでっ。腹出して寝てるってえの!」


