中指斬残、捌断ち儀



三桁(百円)……?

いや、この口振りじゃ百万円だと藤馬さんは言いたいのだろうけど、万札単位で数える藤馬さんも金銭感覚がなさそうだ。


「え、じゃあ、伯母さんの天然石の中に……」


「ババアの部屋にかなりでかいのがあった」


知らなかった……
お守りを人一倍欲しがっていた伯母さんのことだ、とっておきは無論自室に置いていたのだろうけど、ただの石にそんな高値がつくだなんて。


家計簿つけ始めた僕にとってはあり得ない数字だ。


「シシッ、かなりの金額になったぜぇ。もうウハウハ、ババアがあんなに買い込めたのが逆にすげえわ」


「もしかしたら、死んだお子さんと旦那さんの保険金かもしれませんね。後は僕の養育費の中からとかお布施とか……伯母さん、それなりの地位にいたみたいですから」


言いながら赤ん坊に保険金かけられるのかと疑問に思ったが、藤馬さんはなるほどねーと納得していた。