殺す対象が特定されていない不特定多数――人間だからこそ、理不尽な理由で皆殺しを希望する。儀式なんかいらない、正規の手続きがなくとも憎悪が深ければ呪いはできるらしかった。その代わり、跳ねっ返りは覚悟しなければならないそうだけど。


ともかくも、僕を殺そうとする呪いはついてくる。家まで、招かなければ誰も来ることができない家でも、僕についてくればたどり着く。


一番にまいったのは、能面を顔に縫い付けた人だった。顔が不細工だと笑われた人が、ならば綺麗な顔立ちの奴らがいなくなればいいと恨んだ形がああなったそうだが……僕は美形なわけじゃないのに。


何を基準としているか分からないが、能面を縫い付けた人(呪い)は僕を標的にしてしまう。