それは聞き捨てならないことだと僕が反論する前に、五十鈴さんが立ち上がった。
「安直かもしれないが、深く考えた結果だ!私は渉の家族だぞっ、今まで家族らしいことをしてやれなかった分、今ここから――渉が一番困るであろうことを支えてやるのが、私の務めだ!」
「それが行き過ぎだってんだよ!深く考えた?家族だから?どこがだよ、ええっ。このガキの世話をすることになって、てめえの失うもんをよく考えたかっ。今まで培ってきたもん全部おじゃんになんだからよ、過去の回想みてえのをあの短時間でして、それでもてめえはまだ無一物になってガキと住みてえってか?
家族だから、家族家族家族って、バッカだなっ、ああ、ほんとーにだ!こいつの家族はいんだよっ、誰も死んじゃいねえしっ、てめえが背負いこもうとするもんは、その“本当の家族”がやるもんだろう、おいっ。
なんで“赤の他人がそこまですんだ、赤の他人のせいで失うもんの方が大きいじゃねえか”よ!」


