今いる居間から廊下まで、よほど酷いことになっていただろうに五十鈴さんはそれらの掃除を一人でやってくれた。僕が……と言うものならば、「休めっ」と言われたので唯一綺麗な自室で待機していた。
大変だったろうに、それを裏付けるかのようにだいぶ時間はかかった。時刻は10時で夕食にしては遅すぎるものだが、逆に時間が経ったからこそ何も口にしたくないという気持ちが薄らいで、こうして箸を進められるわけだけど。
「えっと……」
夕方から起こったことの説明なんてするんじゃなかったかな、と五十鈴さんの反応を見て思った。
とりあえず大丈夫だからを前提に、あまり五十鈴さんの心配を逆撫でしないようにと少し濁して説明したつもりだけど……やはり伯母さんが“もう駄目で”、これから先、一人で家に住むことになるかもしれないとなれば、五十鈴さんは我がことのように受け取ってしまう。
もしくは僕以上に複雑な心境になっているのかもしれなかった。


