中指斬残、捌断ち儀



(四)


それからのことは、よく覚えてません。

放心状態と言うべきか、僕の知らないところで勝手に物事が進んでいく慌ただしさ。


伯母さんを麓にまで下ろした藤馬さんは関わりたくないのか既にいなくなり、来てくれた救急車の隊員に何があったのかを説明したのは僕だけどよく思い出せない。


ただただ伯母さんの無事だけを祈っていたんだ。


もう元には戻らないと知りながら。


胃の洗浄をした以外は、それほど大きな治療はやらなかった。外傷と言えば数ヶ所の打撲、しかしながら“それ以上にひどい有り様になってしまった”。


はっきりとした検査をしなければ正確なことは言えないが、幻聴妄想自傷等の精神からなる重度の異常が出ていることから、明日にでも精神病棟――つまりは檻つきの棟に移さなければならないと医者は言った。