中指斬残、捌断ち儀



仕方がねえと、藤馬さんが足を進めた。

どこに行くのかの質問に答えてないとは、僕が聞く前に分かったらしく。


「救急車呼べよ。医者の知り合いならいるが、畑違いだとか言われるだろうしぃ。俺がこのまま連れていってもいいが、疲れたー。どこでもドアの真似事する体力ねえから、せめて麓まで連れていってやるよ」


答えた藤馬さんの判断は適切なことなんだろう、恐らくは。


息はあるとは言え、起きれば気が狂ったままだろうし、もしかしたら頭を打ったのかもしれないから医者に看てもらうのは当たり前。


急患扱いで構わないからこその救急車で、麓まで運ぶのはすぐにでも伯母さんを病院へ連れていくためと、春夏秋冬家の奇異な事情を考慮してのこと。