「でてぎぃ、ひゃひゃっ、あなたのだめ、ひゃひゃっ」
ドンドン。
「じゃねん祓え、しつげぇ、かみかんさまが、あたしが」
ドンドンドンドン。
「水をかけましょう。げえぇっ、浄め儀を――、あひゃひゃっ、清らかに、いひゃう゛えっ」
ドンドンドンドンドンドン。
「あなたのために。出ておいで。出ておいでぇ、出ておいで、おいでおいでおいでおいでえ゛ぇぇ!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン――!
「……っ」
鼓膜を直に叩かれているような錯覚に陥る。無秩序に制限なく叩かれたドアが、今にも壊れそうだった。
連打される音に負けじと音量を上げた叫び声。時折、“普通らしく聞こえた言葉”もあったのに、すぐにろれつが回らない言葉になる。
扉向こうで二人以上いるみたいだった。


