受話器は外したまま、伯母さんの叫び声を拾っていることだろう。――そういえば、通話先の声が五十鈴さんかは結局分からない。ぜんぜん違う人なら、五十鈴さんに迷惑かけずに済むのに。 「ごめん、なさい……」 本当なら、僕が全部解決すべきなのに。 怖くて逃げ出した、だなんて陳腐すぎて話にならない。 僕のせいだ―― だから、僕がなんとか。 「あひゃひゃっ、わだっ、みみ、みずかけ、あなたのた、あひゃひゃっ!」 立て直そうとした気持ちが、その声とトイレのドアを荒々しく叩く音で崩れてしまう。