「いすず、さ……」
苦しいとき、呼んだのは彼女。
「いす、ず……さ……」
僕の唯一の拠り所。
優しさを受け入れることができる、それに見合う彼女が走馬灯のように頭に流れてきた。
死ぬことなんかないのに、窮地に入るだけでこんなにも頼りたくなるだなんて。
「ごめんな、さ……ぃ」
今になって五十鈴さんに電話してしまったのを後悔し始めた。
五十鈴さんとてあんな風になった伯母さんをどうにもできないだろうし、忙しい身を僕の都合で呼び出すことに後の祭りという言葉を連想した。
普通に救急車でも呼べば、だなんてこれは後悔先たたずか。無我夢中でした行為の不出来さに項垂れそうになった。


