父の「ごめん、なぁ……」とむせび泣く声は、まだ頭で再生できるほど根付いている。
それだけ、父親は僕に対して謝り続けた。
あの頃は何に対して謝っていたのか分からないが、思い返せば、あれは僕の惨めさに向けたものだと思う。
祖父母から愛されず、会ったこともない親戚からも疎まれて、家では怒鳴り合いを聞いて、おおよそながら『子供に何の罪もない』となるのに、一番の被害者は僕であると父親は認識していた。
惨めだと、悲惨だと、子供にそんな思いをさせてしまう自分たちが情けなく、未だに改善されないことに。
「ごめん、ごめんな……」
父親はよく僕の前で泣くようになり。
無理して笑うようにもなった。


