ガリィッ、と砕ける音は伯母さんの歯が“負けたんだ”と思った。
天然石を噛み砕けるわけもない、唾液に混じった血が伯母さんの口腔の悲惨さを暗示しているようだった。
ガリィ、ボリッと奥歯が欠けていく。天然石が噛み砕けてなくとも構わないのか、ごくりと伯母さんの喉元が上下する。
「伯母さんっ、伯母さんっ!」
どんな止め方をしていいのか分からなかった。
尋常じゃない行為。
食事を越えた悪食。
明白なる狂気の沙汰。
「あひゃひゃっ、これでっ、しんっ、あたしはだいじょひゃひゃっ、あたしはひゃひっ、あいつらより、こ、こうふっ、ひゃひゃっ」
雀のパンくずのように手元に天然石がないと知るなり、伯母さん転がった天然石を辿っていく。――僕の足元まで。
「……っ」


