ねじった紙のように、決して薄っぺらくはないのに、黒(ソレ)は胴体からねじれた。
膝から下がない足――成長していない足が畳を踏む。
膝歩きをするソレ。捻れたままの胴体で、僕に近づく。
「っ……」
怖さから咄嗟に身を引くも、ソレは僕を“通りすぎた”。
何かされるのかと緊張した肩が緩む。物体ではないらしいそれは僕の体に当たったが――
「……」
通りすぎたと思ったのは間違いだった。
後ろには何もない。
僕に当たるなり消えてしまって――
『ただいま』と聞こえた気がした。
「……」
幻聴、僕の想像。
けれども、あるべき場所に戻ったソレが僕には喋った気がしたんだ。


