――
百々(どうど)の姓を持つ我が家は、昔は名の知れた神主の家系らしく、いくつかの神社を管理していたそうだ。
しかしながら、時代と共に衰退し、跡継ぎがいないとして、僕の曾祖母の代で完璧に没落した。
母方の方がその百々の姓であり、僕の父親は婿養子としてこちらの戸籍に名前を置いた。
家は二階建ての一軒家。家族構成は父、母。母の血縁たる祖父と祖母。そうして僕の五人家族。
どこにでもある中流家庭で、家ですらも昔の面影を残さない洋風な作りだったが――たった一つだけ、我が家には周りと違う物があった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…