中指斬残、捌断ち儀



僕に気を使って声を落としても、時が経てば、激昂し、物まで投げ初めているのだから、寝ている僕は否応なしにでも起きてしまう。


何か僕のことを喋っていると分かったとき、リビングに顔を出してみたが、祖母に「あっち行ってなさいっ」と両親に怒った顔と声のままに言われてしまったので、それ以来、怖くて寝室に閉じ籠り、怒声が聞こえないように布団を被っていた。


幼いながらも、毎回の喧嘩に僕の名前が出るのだから、『みんながおこっているのは、ボクのせい』と分かっていた。


その度に、前の笑顔ある一家団欒を思い馳せ――現実の音に悲嘆していたものだ。


それでも、両親は優しく接してくれたからまだ救いようがあったし、「お前のせいじゃないから」と僕を抱きしめてくれたからまだ良かったが。