僕が知りたかった地方についての慣習などはまったく知られなかったものの、もしかしたらと思って読んだ遠野物語に僕はのめり込んでしまった。
天狗やら河童やらの民間伝承に焦点を当てた話だからこそ、俄然、興味が湧いたのか。僕の呪術について詳しく知るよりも先に、そんな伝承を知っていくことの方が楽しく思えてきた。
そこから、色々と古い話を読みふけっていたのだが、民間伝承の現代版たる都市伝説に僕は手を出してしまう。
藤馬さんの言うところの胡散臭い話だけど、案外、民間伝承も似たような部分を宿しているので、僕にとってはすんなりと受け入れられる話は多い。
ついで、民俗学よりも都市伝説類いの資料が豊富である点が“調べやすい”こともあって、今はもっぱら図書館で見るのは都市伝説系になっていた。


