中指斬残、捌断ち儀



民俗学と誤解している五十鈴さんに悪いと思いながらも、訂正しないのはもっと悪いと思い、何とか声を出す。


五十鈴さんに至っては、別段、怒ることなんてないが「そうなのか」とかなり意外そうな顔をする。


「民俗学から都市伝説って、はあぁ?オカルトに興味あって、一気にうさんくせえカテゴリに成り下がるって、どーいうことだよ」


そう言われても、と言葉を濁すしかなかった。


そもそも、民俗学に興味を持ったのは、百々の昔について調べようと思ったからだ。結果として、百々の名が乗る資料など見つからず、他に僕の呪術に関連する歴史はないかと行きついた先が民俗学だった。


昔の風習やら慣習がいくつか書かれている資料だが、いかんせん、図書館内では有名なものしかなかった。