「え、贈り物って」
変換すればプレゼント。改まって言われたことに、どきまぎしていれば五十鈴さんが手のひらより少し大きめの茶色い箱を机に置いた。
「中学生になったお前の贈り物だが、私の頭ではこんな物しか思い付かなかった」
良ければ受け取ってくれと、箱を僕の前に押す五十鈴さん。
長方形の厚みが薄い箱を開ける前に、物を貰うということに何だか感激して指先が震えてしまう。
気取られないように箱を持って、「ありがとうございます」と言うが……まずい、嬉しい。
五十鈴さんの贈り物はこれが初めてというわけでないけど、こんなあからさまな贈り物の形をしていると貰うこちらの背筋が伸びるようだ。


