中指斬残、捌断ち儀



「遅いってぇよりも、停滞だな。若々しいままで居続けんだよ、死神は。根本的に細胞の作りが人と違うのは、奥さまがフクロウになれる時点で分かんだろ?」


死神という単語に五十鈴さんが右目を細めた。中学上がる前には既に、五十鈴さんの“役割”を知っていたため、人とは違うと分かっていたけど。


「もしかして、五十鈴さんって……かなり」


「何年生きてきたなど忘れた。今をきちんと生きているなら、それでいいだろう?」


男前な発言でまとめられてしまった。


正論には違いないので頷いてはみせたけど……そうか、五十鈴さんは僕が思っている以上にお歳を召しているのか。


何だか複雑な気分になるけど、五十鈴さんの若々しさと変わらない性格で帳消しだ。歳など関係ないほどに、僕は五十鈴さんを慕っているから。