中指斬残、捌断ち儀



「藤馬さんも、ですよね」


ついでに、と言ってみた。


二人して変わらない体系と容姿。写真の被写体のように劣化などしなく、このまま二人が止まった状態なら、いつか僕の身長が追い越す……わけもないか。


「いや、一応歳は取っているぞ。髪と爪は伸びる」


歳を取るを単純な成長に捉えた五十鈴さんを笑ったのは、藤馬さんだった。


「奥さまの歳の取り方を、人間と一緒に済んじゃねえよ。伸びるっつっても、一年に一回切れば、あとは放置でいいくせに。

わたるんなんか、エロいから髪伸びんの早いんだぜ?」


それは藤馬さんじゃないのか、とは心で呟いた。


「一年に一回って、五十鈴さんは成長が遅いっていうことですか?」