「そんな人の養子にするだなんて……!」
「私だってしたくはない。今更、あんな勘当した女とそのために連絡を取るだなんて」
見当違いなことを言う義父に、貞夫は一歩分距離をつめた。
「連絡云々じゃないでしょう……!渉を、あんないい子をそんな異常者に預けられるものか!」
「しかして、親戚の誰かに預けられるわけもない。籍を抜いても、近くにいれば――百々と何らかの繋がりがあれば、災いがこちらにまで来るし、“アレ”に見初められた渉を親戚の誰かが預かってくれるわけもない。
孤児院にも無理だろう。呪いなんかを理由に社会は渉の手離しを許してはくれない。万が一、認められたとしても、渉と一つ屋根を共にすれば、孤児院の子たちに何らかの被害があるに決まっている」
生け贄として捨て駒を選ぶわけかと貞夫は思った。


