死にたかった、だなんて陳腐なことは言いません。
殺したかった――
本当にそうだ。
例えこれが伯母さんの刷り込みによる考え方だとしても、僕は殺したかった。
今精一杯生きたところで二十歳で死ぬということにうんざりし、“ちょっとした実験のつもり”で僕はあることをした。
麓(地上)と春夏秋冬の家を結ぶ階段、ゆうに百段はありそうな細かな石段から飛び降りた。
結果としては、僕は無傷。服が汚れただけで、痛みすらもなかった。
どんな原理だ、と笑う。
やっぱりな、と笑った。
分かっていた、こうなることを。
分かっていたんだ、どうにもならないことを。


