僕は何もしていない、と言っても、“被害者には関係ない”んだ。
裁くべき当人なんてとっくに死んでいるだろうし、被害者がやり場ない怒りをどうにか発散したい場合は――加害者の血縁を恨む。
第一、百々のために殺された人の恨み対象はその実、百々(一族)そのものが憎いはずだ。百々の血筋が根絶やしになるまで、“被害者の復讐”を受け続ける。
呪いとして。
回避不可な見えない形で、まとわりつく。
「わたるんさぁ、一応言っとくけど。二十歳で死んだら、全ておしまいだなんて――天国に行けるだなんて、思うなよ」
「……」
分かっている。
これは因果応報だ。
繰り返す、負の連鎖は――


